それで合点がいったのは、ヨーロッパのホテルのアニメティー。宿にカネをかけないことで有名な私は、よくB&Bや安宿に泊まるのだが、そういった所に置いてあるのは、タオルと石鹸、そして、ボディクリームなのである。「いや、最初に歯ブラシとか、シャンブーとコンディショナーでしょ」というのが、日本人の常識だが、ボディクリーム優先の欧米。そういえば、現地のスーバーマーケットの品揃えもそれを裏付けており、日本では一区画を締めるシャンブー&コンディショナーのラインナップは貧弱で、その代わりにボディクリームは種類豊富なのだ。イスタンブールの伝統サウナのハマムで、白人の女の子が店員に「(入浴後は)肌がちくちくするから(itchy=痒いを連発)、ボディクリームをくれ!」と騒いでいたこともあったっけ。
というわけで、セクシーライフには、人生とんとご無沙汰なワタクシも、ボディクリームを塗ることが習慣化している。おかげさまで全身はじっとり潤っているのだが、あるとき気がついたのは、若い印象を他人に与えるのに、肌の質感というのは大いに関係がある、ということ。人間の視覚とは恐ろしいシロモノで、無意識のうちにいろんな情報を拾ってしまう。肌の露出が多くなる夏では、実はほうれい線のシワよりも、面積の大きい身体全体の肌のカサカサ具合の方が「老けた」印象を作ってしまうのだ。ノースリーブから出た二の腕は太さやたるみを気にするよりも、ボディクリームでお手入れしてピカピカにした方が、若々しさを伝えられる、ということです。